ハル・エンジニアリングとの協業プロジェクト
第一弾 アプリ制作「Memocal mini」
MemoCal miniはiPhone用に最適化された手描きカレンダーアプリケーションです。iPad版のMemoCal liteやMemoCal Plusの直感的でシンプルな使いやすさはそのままに、より手軽に楽しめるカレンダーになりました。
「感動」をテーマに、SNAPが今まで培ってきた経験や技術力を活かしたプロジェクトです。
つかう人のことを第一に考えながら、遊び心があり、楽しく、ワクワクするアイデアをデザインし、カタチにします。
Case study
ハル・エンジニアリング ものづくり部の皆さんと“カタチ”にした3つのアイデアをご紹介
プログラミング技術に定評のあるハル・エンジニアリング様は、社内に自主的な勉強会や研究、開発などの活動を行なっいる部活動(ものづくり部)があります。活動の課題として技術先行の取り組みが多くなってしまい、使う人の事を考えたアプローチが出来ていないというお話を伺いました。そこで、SNAPが強みとしているユーザー視点の体験設計やデザインを提供し、技術力を活かした3つのアイデアを”カタチ”にしました。
- C.U.B.E.
- ひなた
- ちゃんぽん
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「C.U.B.E.」とは
子供から大人まで手先を動かして遊ぶことで脳を発達・活性化する玩具です。スマホと連動し、各種ゲームを表示して遊んだり、待機アニメーションでインテリアにすることもできます。
アイデア創出
以前に関わっていたプロジェクトで、障がいのあるお子さんを持つご家族とお話しする機会があり、静かに座っていることが難しい子どもがいるということを知りました。
この問題をハル・エンジニアリング ものづくり部が持っている、外部デバイスの組み込み技術とスナップのアイデアで解決できると考え、方法を模索しました。
調査を重ねる中で、手を使った玩具が集中力に良い影響を与えること、また手指は『第二の脳』とされ、脳の活性化や運動機能の向上に役立つと分かり、これをもとに、新たなデバイスの検討を開始しました。
このデバイスはキューブ型で、手を使って操作でき、複数面を見る必要があるため記憶力や集中力を高める効果が期待されます。また、スマートフォンと連動させることで、多様な遊び方を提供できる設計です。これにより、子どもから高齢者まで幅広く活用できると考えました。
デザイン制作
キューブ型デバイスには目への負担が少ないLEDを採用しました。スマホなどの液晶画面を長時間見る機会が多い現代、少しでも刺激を軽減したいと考えたためです。また、LEDは世代によって懐かしさや新鮮さを感じさせる効果も期待できます。
さらに、LEDによってスマホで見るアニメーションとは異なる独自の体験を提供し、デバイスのサイバーな雰囲気に合わせてスマホ画面も統一しました。
提案書をもとにワークショップで説明したところ、予想以上に良い反応をいただきました。さらに、自分たちでは気が付かなかった視点からのコメントも寄せられ、非常に有意義なフィードバックを得ることができました。
"カタチ"にする
ワークショップでお見せした提案書をもとに、キューブ型デバイスの試作品を制作しました。
特に苦労したのは、キューブ型デバイスを収めるフレームの3Dプリントです。細かい造形部分がうまく出力できず、デザインや樹脂の変更に伴って寸法調整を繰り返しました。その結果、フレームに組み込んだバッテリーなどから発生する熱にも耐えられる、安全なキューブ型デバイスが完成しました。
このデバイスはスマホと連携しており、ゲームを選択するとLEDが点灯し、ゲーム画面が表示されます。デバイスを傾けると、光が各面を移動してゴールに導きます。
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「ひなた」とは
赤ちゃんの健やかな成長のために適度な日光浴をサポートするデバイスとアプリです。スマートフォンと連動した専用デバイスをベビーカーに取り付けることで日光を浴びた時間を計測し、管理することができます。
アイデア創出
自身がメンタルの不調を感じていた際、日光を浴びることで改善することを知り、数ヶ月実践してみたところ効果を実感することができました。この経験から、効果が見えにくい日光浴をサポートするものを作りたいと思うようになりました。また、調査の中で、子供の日光浴不足が特に問題視されていることも分かりました。
日光浴不足の原因として、母子ともに紫外線を避ける美意識の向上やコロナ禍の外出自粛が影響していることが判明しました。
こうした問題を、ハル・エンジニアリング ものづくり部のセンサー技術とスナップのアイデアで解決できると考え、方法を模索しました。
プロジェクトチームで話し合い、日光浴を促すためには日光を浴びた量を可視化し、長期的にバランスよく浴びられるようにする必要があるとの結論に至りました。そこで、普段の外出時に記録が取れる「ベビーカーに取り付けるおもちゃ型の太陽センサー」を検討することにしました。
デザイン制作
お母さんと赤ちゃんの両方が安心・安全に使えるよう、デザインの方向性は明るく温かみのある色合いを使用し、親しみやすくしました。また、デバイスはベビーカーに取り付けることを目的としているため、手軽に着脱ができるようにクリップとマグネットの組み合わせを考えました。
操作するアプリケーションは、デバイスと同様に安心感と信頼性をもってもらえるようなシンプルな操作性を重視しました。
"カタチ"にする
デバイスとアプリのプロトタイプを制作しました。
デバイスで苦労した点は、センサーとマイコンを電池で駆動させることです。
使用する電池の電圧が足らず、マイコンが動かないことや、駆動したときのピン出力の違いなどでセンサーに電源供給できないなどの問題がありました。 また、アプリではマイコンから送信されるデータに含まれるセンサーの値を抽出するのに苦労しましたが、試作を重ねることで全て解決することができました。このデバイスは環境光センサーで明るさの強さを取得し、屋外と屋内の判定をします。デバイスに連動したアプリで屋外の時間を計測し、日光を浴びた時間を見える化しました。日々の記録を蓄積し、週や月ごとに振り返りを行うこともできます。
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「ちゃんぽん」とは
自分だけの物語のネタをかんたんに生成する創作サポートアプリです。ランダムに物語のネタを設定したり、AIによるあらすじ生成を行うことができます。
アイデア創出
物語の設定やあらすじがまだ固まっていないと、いざ書こうと思っても、何から書けばよいか迷い、アイデアが浮かばないこともあると思います。そうした初めて物語を書く方や、アイデアに悩んでいる方のために、物語作成をサポートするアプリの模索を始めました。
当初はカジノをイメージし、トランプを選んだりサイコロを振るなどの何が出るか分からないワクワク感を取り入れることを考えていましたが、もっと簡単に自分だけの物語のネタを無限に生成できる方法を模索した結果、ガチャポンやスロット形式に行き着きました。
これだけであれば既存のサービスも存在していましたが、ハル・エンジニアリング ものづくり部が持っているAIの技術力を生かし、ガチャポンやスロットの演出、さらにAIによるあらすじ作成機能を追加することで、物語を1から作りやすくすることを目指しました。作成したネタは手動で編集可能にすることで、よりイメージを明確にし、創作のモチベーション向上にもつながると考えています。
デザイン制作
有名な文豪たちが活躍した大正から昭和の雰囲気をベースに、レトロなカラーで全体の画面デザインを作成しました。
ガチャポンはボタンを1タップしてネタを生成するだけでは淡々とした作業感が出てしまうため、カプセルがシャッフルされる演出を追加し、ランダム性をより強く表現しました。
あらすじを生成するAIは当初ChatGPTのみを想定していましたが、ハル・エンジニアリングからの提案を受け、3種類のAIから選択して生成できるようにしました。同じ設定でも、使用するAIによってまったく異なるあらすじが生成されるため、自分では思いつかないような物語が広がると考えています。
「カタチ」にする
制作したデザインとアイデアをもとに、アプリの制作を行いました。
こだわったのはスロット画面(アニメーション)の作成です。実際のスロットの動きを参考に、アニメーション機能のリール制御を調整しましたが、うまくいかず、試作を重ねることで、加速や減速といった細かな動きを再現することができ、自然なアニメーションを作成することが出来ました。
ハル・エンジニアリング株式会社
1977年に設立されたハル・エンジニアリング株式会社は豊かな未来に常にチャレンジするトータルソリューションのソフトウェア開発会社です。
今やIT業界では老舗的な存在で、様々な企業より高評価を得ております。
新分野への挑戦も強化しており、異業種と積極的に交流して新製品開発の途を拓き、柔軟に取り組んで研究・実験も推進しております。
また、有志が集い、就業外に自主的にソフトウェアにおける勉強会や研究、開発などの活動をおこなっている「ものづくり部」があり、今回の「ものづくりプロジェクト」のプログラミング、プロトタイプ制作等は部員たちが手がけております。
ハル・エンジニアリング株式会社公式HP:https://www.haleng.co.jp/
ものづくりプロジェクト
その他の活動内容
スナップでは”アイデアをカタチにする”
お手伝いをしています。
企画・調査・デザインなど
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